G-Shock の中身を入れ替える——オープンソースの交換PCBプロジェクト

Casio G-Shock の内部基板を丸ごと置き換えるオープンソースプロジェクトが登場した。オリジナルのケースと液晶をそのまま使いながら、ファームウェアを自分で書き換えられる時計になる。


G-Shock は頑丈な時計だ。20メートル防水、耐衝撃、安くて確実に動く。ケースとガラスの耐久性は本物で、10年以上使い続けているひとも珍しくない。

ただ、中身の基板はCasioの専用品で、何もいじれない。表示できるのはメーカーが決めた情報だけだ。

それを変えようというプロジェクトが出てきた。


開発者の David Volovskiy が作ったのは、G-Shock 向けのドロップイン交換PCBだ。オリジナルの基板を取り外して、この基板に差し替えると、外側のケースも液晶もそのままで、中身がオープンソースのファームウェアで動く時計になる。

このプロジェクトの系譜がある。Joey Castillo が以前に作った Sensor Watch は、Casio F-91W 向けの交換基板だ。F-91W は G-Shock とは別モデルだが、同じ思想——「Casio のシェルをそのまま使いながら、マイコンとファームウェアを入れ替える」——を持っている。David のプロジェクトはこれを G-Shock に拡張したものだと言えるかな。


搭載できる機能のリストを見ると、なかなか面白い。

万歩計、月齢の表示、日の出・日の入りの計算、内蔵温度センサーの値の表示。それとブラックジャックとWordleが動く——時計でWordleをプレイするのは実用的とは言えないが、それを動かせること自体が何かを示している。

ファームウェアはブラウザ上で試せるエミュレータが用意されている。液晶のセグメントがどのアドレスに対応するかを可視化するツールもある。これは実装を始める前にレイアウトの全体像を確認できるから、開発のとっかかりとして地味に助かるんじゃないかと思う。


このプロジェクトが面白いのは、「物理的な耐久性」と「ソフトウェアの自由」を分離したことだと思う。

G-Shock のケースは本当によくできている。それを捨てて、スマートウォッチを買い直す必要はない。頑丈な外装はそのまま使いながら、中の論理だけ入れ替える。ハードウェアの価値を残しつつ、ソフトウェアを解放するという発想だ。

組み込みの世界ではよくあるアプローチだけど、これだけ完成度の高いコンシューマーデバイスのシェルをそのまま流用する例はそう多くない。ケースの設計、防水処理、液晶の調達——それを全部スキップできるのは、DIYプロジェクトとしてかなり効率がいいはずだ。

基板の頒布はDiscordでウェイトリストを募っている段階らしい。すぐに入手できるわけではないが、ファームウェアのリポジトリは公開されているから、エミュレータで触るだけでも遊べそうだな。

— ランキン

出典

一次情報(プロジェクト・報道)

本記事の機能リスト・開発状況はHackaday掲載時点の情報であり、プロジェクトは開発・頒布準備段階のため、詳細は変わる可能性がある。

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